

アリゾナタウンがゆく!
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AZTスペシャルインタビューVol.03 フードスタイリスト/管理栄養士 金子奈央さん映画、テレビ、CM、広告など、多方面で活躍するフードスタイリストの金子奈央さん。彼女が手がける料理は、美しさだけでなく、そのおいしさでも高く評価されています。管理栄養士の資格も持つ金子さんは、今年2月...続きを読む
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アリゾナタウンがゆく! Arizona Town Blog
AZTスペシャルインタビューVol.03 フードスタイリスト/管理栄養士 金子奈央さん
03/31/25 09:00
photo by Shizuka Suzuki(鈴木 静華)
金子 奈央(かねこ なお)
フードスタイリスト/管理栄養士
洋菓子・料理研究家の信太康代氏に師事後、
エスビー食品にて企業向けの商品開発に携わる。
現在は、フードスタイリストとして
ドラマ・映画・CM・広告の料理制作、
プロップ撮影、テーブルコーディネートなど
多岐にわたって活躍の場を広げている。
金子 奈央(かねこ なお)
フードスタイリスト/管理栄養士
洋菓子・料理研究家の信太康代氏に師事後、
エスビー食品にて企業向けの商品開発に携わる。
現在は、フードスタイリストとして
ドラマ・映画・CM・広告の料理制作、
プロップ撮影、テーブルコーディネートなど
多岐にわたって活躍の場を広げている。
信太康代氏(写真中)のアシスタント時代。
撮影の同行や料理教室の助手を通して、
現在の仕事の基礎を築いた。
撮影の同行や料理教室の助手を通して、
現在の仕事の基礎を築いた。
「アリゾナはステキな場所」と語った金子さん。
キャメルバック山に登り、初の登山を経験!
キャメルバック山に登り、初の登山を経験!
撮影準備の合間に食べたケールサラダのランチ。
「アリゾナはお店の空間にも開放感があり、
ふだんとは違う環境の中でパワーを感じられ、
心にゆとりが生まれました」
「アリゾナはお店の空間にも開放感があり、
ふだんとは違う環境の中でパワーを感じられ、
心にゆとりが生まれました」
アリゾナ到着後、すぐにスーパーへ行き
日本との違いを体感。
「日本では見かけない野菜が
たくさん並んでいて感動しました!」
日本との違いを体感。
「日本では見かけない野菜が
たくさん並んでいて感動しました!」

photo by 溝口 拓
「色を食べる」
紫キャベツと葡萄のシュークルート
色味を楽しみながら野菜を食べる料理作りを
行っている金子さんの最近の作品。
「色を食べる」
紫キャベツと葡萄のシュークルート
色味を楽しみながら野菜を食べる料理作りを
行っている金子さんの最近の作品。
映画、テレビ、CM、広告など、多方面で活躍するフードスタイリストの金子奈央さん。彼女が手がける料理は、美しさだけでなく、そのおいしさでも高く評価されています。管理栄養士の資格も持つ金子さんは、今年2月にアリゾナ州で行われたMLB春季トレーニングキャンプに参加し、日本人選手のためのメニュー開発を担当しました。
今回、アリゾナタウンでは、金子さんにフードスタイリストとしての仕事や現在の活動についてお話を伺いました。また、料理を楽しくおいしく作るヒケツも教えていただき、アリゾナでの思い出も写真とともに振り返っていただきました。
― フードスタイリストというお仕事について教えてください。具体的にどのようなことをされているのでしょうか。
フードスタイリストの仕事は、広告、映画、ドラマ、カタログなどで料理をキレイに美しく見せることです。例えば、映画やドラマの食事シーンでは、台本に合わせた料理を用意し、見た目のおいしさを引き立てる工夫をします。湯気を立たせたり、ツヤを出したりと、さまざまな考えをめぐらして食卓を魅力的に演出します。また、私は現在、ホテルビュッフェの広告のスタイリングも手がけているのですが、そこではビュッフェのテーマやシェフが作る料理に合わせて、お皿、背景紙、小物など、より目に留まるような全体のコーディネートを行なっています。SNSで海外のスタイリストさんの作品をチェックしたり、街中にある色の配置を参考にしたりと、日常の中からも仕事につながるようなヒントを得ています。ファッションのスタイリストが洋服をコーディネートするように、料理を美しくおいしく引き立てるのがフードスタイリストの仕事です。
― SNSの投稿で「初代レシピ帳」を拝見しました。やはり小さい頃から食べることや料理を作ることがお好きだったのでしょうか。
はい、子どもの頃から料理が好きで、料理本を見るのも好きでした。私は9人という大家族の中で育ったんです。曽祖父母、祖父母、両親、そして私を含めた3人兄弟の9人家族です。曽祖母を筆頭に、家族の女性陣がみんなキッチンに立つ姿を見て育ち、自然と「私も料理がしたい!」と思うようになりました。最初に挑戦したのは、缶詰のパイナップルを切ることだったと思います。母はお菓子作りが得意だったので、一緒にケーキを作ることもありましたね。また、料理をするのは女性陣だけではなく、祖父も手伝っていました。煮物を作るときは、ゴボウや里芋の下処理を、夕飯の支度前にしてくれていました。そのため、私にとっては「煮物=家族の料理」なので、家族が作る煮物は思い出深い料理のひとつです。とくにかぼちゃの煮物は、祖母が作ったときと母が作ったときとでそれぞれ味が違っていて、どちらも大好きでした!
― 現在のお仕事を目指されたきっかけはなんですか?
中学生のとき、初めて料理雑誌を見てその美しさに感動したことが、フードスタイリストを目指そうと思った最初のきっかけです。それまで母の料理本はよく見ていましたが、雑誌に載っていた料理は、料理そのものの美しさはもちろん、使われているお皿まですごく可愛くてとてもステキに見えたんです。この出来事をきっかけに、大学2年生のときに週1回、フードコーディネーターのスクールへ通うことになりました。そして、卒業間近の時期に、学校の掲示板でとある飲食店のスタッフ募集を見つけて応募。実はそのお店は、働いている人がみんなフードスタイリストのアシスタントをしながらアルバイトをしているようなお店だったんです。私もご縁があって働かせていただくことになり、フードスタイリストのアシスタントとしてのキャリアをスタートさせることになりました。
― アシスタントを務められたのは、ご経歴にもある洋菓子・料理研究家の信太康代(しだ やすよ)さんのもとでしょうか? 信太さんから学ばれたことで、大切にされていることがあれば教えてください。
飲食店でアルバイトを始めて2年目のとき、ある出版社の編集長にご紹介いただき、信太先生のアシスタントを務めることになりました。それまでもお店の先輩に連れられて撮影に立ち会うことはありましたが、本格的にアシスタントを始めたのはこのときからです。アシスタントを始めて、とくに印象に残っているのが「素材の切り方」です。例えばブロッコリーの茎を少し長く切るだけで、盛りつけた際の見た目が変わり、素材の切り方で盛りつけの印象が驚くほど変わるということに衝撃を受けました。切り方ひとつで仕上がりの美しさが大きく左右されると気づいた瞬間でした。また、先生はカッペリーニを作る際のパスタの締め方にもこだわっていました。手がキンキンになるくらい氷を使ってしっかり締めるのですが、それだけでおいしさが格段に増すんです! どうしたら料理を美しくおいしく出せるかを、先生についた3年間でたくさん学ばせてもらいました。さらに、先生からよく言われた「キョロキョロしながら歩きなさい」という言葉は、今でも心に残って実践しています。仕事に活かせるヒントがあるかもしれないので、常に周囲を観察しながら歩くようにしています。
― テレビ、広告、レシピサイトなど、多方面でご活躍されていますが、これまでのお仕事の中でとくに印象に残っているものはなんですか?
オムライスのお店を舞台にしたドラマでは、ひたすらオムライスを作り続けなくてはならず、とても大変だったのが印象に残っています。3日間の撮影で、500個もの卵を使ったのではないでしょうか。卵の調達も一苦労でしたが、毎回オムライスを美しくおいしく仕上げるのも大変でした。キレイな黄色を出すために、全卵に黄味をさらに加えて作るといった工夫を凝らしながら撮影を進めましたね。また、2024年末に公開された映画『アイミタガイ』での仕事も印象に残っています。ドラマはスピード感が求められるのに対し、映画は一つひとつのシーンをじっくりと撮影していくので、その違いが新鮮でした。さらに、映画のストーリーに合わせて、心が温まるような料理を作ることができたのも嬉しかったです。なにより一番心に残るのは、どの現場でも出演者の方に「おいしい!」と言ってもらえたときです。料理を褒めていただけると、どんなに大変でも「この仕事をやってよかった」とすごく嬉しくなります!
― 金子さんは管理栄養士の資格もお持ちですよね。今回のMLB春季トレーニングキャンプでは、メニュー開発で日本人選手の栄養管理を担当されたと思いますが、どのような点に気を配ってお料理を作られましたか?
管理栄養士の資格は大学で取得しました。当時はフードスタイリストという職業が今ほど知られておらず、どうすればなれるのかわからなかったため、まずは大学で栄養学の基礎を学ぼうと思ったのがきっかけです。今回の選手に向けたメニューでは、スポーツ選手にとって重要なエネルギー源であるタンパク質をしっかり摂れるよう工夫しました。また、タンパク質の吸収がよくなるようなビタミン・ミネラルの補給もできるように考えました。ただ、栄養を全面に押し出したメニューにすると、かえって選手にプレッシャーを与えることになってしまうので、食事の中で自然に必要な栄養素が摂れるよう意識しました。例えば、ビタミンを補う際に、サラダのように野菜をそのまま出すのではなく、つけ合わせとして食べやすいじゃがいもをソテーとして添えるなど、選手が負担を感じないようなメニュー作りを心がけました。
― アリゾナで、日本にいるときと同じようなメニューを考えるのは大変ではありませんでしたか? 素材も限られていますし、お肉ひとつとっても日本とは厚みややわらかさが違うので、現地に住む主婦は苦労が絶えません。おいしいごはんを作るコツがあれば、ぜひ教えてください!
食材の調達でアジア系のスーパーやローカルのスーパーをまわらせてもらいましたが、想像以上に品揃えが豊富で、それほど苦労は感じませんでした。むしろ日本では見かけない野菜があり、それらを試してみるのが楽しかったです! こういう使ったことのない野菜に挑戦するときは、まず似た食材を思い浮かべ、それに合う味つけを考えると失敗しにくいですよ。お肉に関しては、炭酸水やパイナップル、キウイと漬け込んでみてください。また、舞茸にもタンパク質を分解する働きがあるため、一緒に炒めることでお肉がやわらかくなります。ほかに、下味をつけた後にオリーブオイルなどの油を軽く揉み込んでコーティングする方法も、お肉がしっとりやわらかに仕上がりますよ。一見面倒に感じるかもしれませんが、どんな料理もちょっとしたひと手間でおいしさが格段に変わります。ぜひ楽しみながら試してみてください!
金子奈央さん著のレシピ本が好評発売中!
単行本『スパイス香る、愛しい一杯』(雷鳥社)1,980円
その時期に採れたみずみずしい果物を、
スパイスと一緒にジャムやコンポートにして作るドリンク。
旬の野菜を入れて、スパイスで香りづけをした満足感のあるポタージュなど。
季節の移ろいを感じる、やさしい品々を綴ったレシピ集です。
スパイシーなだけじゃない、スパイスの奥深さや広がりを感じさせてくれる、
爽やかで、甘やかな、十二か月のレシピ50点を収録。
本書では、その日の心と身体に寄り添うように、
早朝、昼、おやつ、日暮れ、晩という時間軸でレシピを並べています。
家に好きなお花を飾るような感覚で、気持ちを軽やかに、肩の力を抜いて。
日々を「愛おしむ一杯」を見つけてみてください。
スパイスと一緒にジャムやコンポートにして作るドリンク。
旬の野菜を入れて、スパイスで香りづけをした満足感のあるポタージュなど。
季節の移ろいを感じる、やさしい品々を綴ったレシピ集です。
スパイシーなだけじゃない、スパイスの奥深さや広がりを感じさせてくれる、
爽やかで、甘やかな、十二か月のレシピ50点を収録。
本書では、その日の心と身体に寄り添うように、
早朝、昼、おやつ、日暮れ、晩という時間軸でレシピを並べています。
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本書は発送先に「アメリカ合衆国」を選択のうえ、Amazonよりご購入が可能です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4844137913/
https://www.amazon.co.jp/dp/4844137913/